ネトゲを題材にした漫画を紹介する

はいどうもななつ うみですよ。

今回は仕事中ふと思い出した、ネトゲを題材にした私の好きな漫画をご紹介しようと思います。

ネトゲ題材の~~~といって思いつくのはそれこそ懐かしい.hackシリーズとか。最近だとSAO(もとは小説だけど)なんかがあると思うんですけど。
なぜかマイナーなものに惹かれてしまので、上記二つのコンテンツは触れたことがないんですよねえ。存在は知っているレベル。

そういうわけで(どういうわけで?)今回ご紹介するのは漫画家篠房六郎さんが描くネトゲ漫画シリーズです。

はじめに断っておきますが成年漫画よりです。わりとエロでグロです。あとロリ。でも私が読めるくらいのだからソフトな感じだと思います。たぶんね。あとなんだかんだ連載打ち切りになってます。

おすすめ1 『空談師』(アフタヌーンKC 全3巻)


私が篠房さんを知るきっかけになった漫画です。大学生のころだったか、古本屋さんでたまたま見かけて絵柄が好みだったので購入しました。

個人が『リネン』というVRMMOの開発会社と契約し、GMとして自分で好きなように『ボード』と呼ばれるネットゲームを作成・管理できる世の中になったという設定の漫画です。※以降おすすめしていく漫画の共通設定となっています。

そうしたボードの中の一つ、GMのミポが運営している『パラベラム』という名の開放型ボード(誰でもアクセスして遊べるタイプのボード)が物語の舞台となります。

この『パラベラム』に主人公である何でも屋の少女ウーフーや、謎の組織クダベの新米兵士ヨエルや、GMミポと何か因縁があるらしいクダンという荒らしやらなんやらが登場し、あーだこーだするお話なのですが、ほぼ序盤で打ち切りになっています(でも好き)。

主人公のウーフーが『パラベラム』に初めてアクセスした時のリアクションと、初めて自分がネトゲをやり始めた頃のリアクションに重なる部分があったり、GMのヒメチャン具合が知ってるギルマスに似ていたり、そういう「ネトゲあるある」が散りばめられていて好きです。

例えば、月1回『パラベラム』で行われている「抗争」という名の大規模戦争に巻き込まれたウーフーが、数分前まで仲良くおしゃべりしていた子たちが突然殺し合いを始めたのにショックをうけたり、そのショックに対し「元からゲームの体に痛覚も何も無いだろ」というようなことを言われて違和感を覚えるところとか。

私もおっかなびっくりネトゲを始めてゲームのルールもよくわからない、ギルドにも加入していなかった頃、毎日システムメッセージで「○○ギルドが××ギルドに宣戦布告しました」とか流れていたので、「こ、こええええ!!!」と思ってました。

それこそ慣れた後は遊びでフレとチクチク刺し合って「やられた~~w」ってやってましたし、なんとなく中華BOTをPKしまくって血みどろになったりというやさぐれた時期も経験してますが、最初のころは戦争も怖いし攻城戦の時間になったらずっと安全地帯の町にひこきもってました。攻城中のPK可能地域はペナルティなしで殺しOKになるシステムだったので。

あと昔のネトゲなんか有名なPKerが各サーバーに1~2人くらいはいたかと思うんですが、そのキャラが近くをス~~ッと通り過ぎるだけで「ひぃえええええ!!こーろーさーれーるーーーー!!!」と内心ドキドキしてましたもん。懐かしいなぁ。

そういう「ピュアだった頃の自分」とウーフーのリアクションが重なったりするんですよね。また「そういうゲームに慣れた」ユーザーとの温度差みたいなものもうまく描かれていると思います。

作中ではリアルの描写は一切ありませんが、『パラベラム』に乗り込んでくる賞金稼ぎのお姉さんが夜勤明けで眠そうに話しているところとか(でも強い)、プレイヤーの兄弟喧嘩からなんとなく家庭環境が透けて見えるような、「ゲームの中でリアルがほんのすこし垣間見える」っていうくらいの描き方が、本当にゲームに接続しているような感覚になって私は好きです。

リアルはどんな人物なのか、どういうふうにゲームに接続しているのか、全部を見せすぎないからこそリアリティがあるっていう。

作品の連載期間が2002年~2003年頃なので、リネージュとかFF11が出てきたあたりになりますか。ネットゲームの存在がやっと表に出始めたかな?っていう頃にこの話を連載していたっていうのが、なかなか一般の読者に世界観というか感覚が理解されなかったのかなぁと思ったりして。今ならもうちょっと共感されたんだろうか。

おすすめその2 『篠房六郎短編集~子ども生物兵器~』(講談社)

篠房さんの過去作品を収めた短編集です。いろいろ載ってますが青年漫画よりです。成年漫画かもしれんが・・・。収録の最後にのっている『空談師』という作品が、おすすめ1の『空談師』の元ネタになっています。

放置され廃墟のようになったとあるボードに集まった5人のプレイヤー。様々な敵や罠をかいくぐりながら、ダンジョンの終着点を目指します。5人がこのボードに集まったそれぞれの理由が、ダンジョンを進むにつれ明かされていくというお話。

この物語のオチもまた、なんというかネトゲあるあるというかちょと自分にもつながるメンヘラチックなエピソードが含まれています。このボードのGMは果たして本当に・・・?それとも・・・?という感じ。PCの向こう側にいる誰かとの、「気持ちの温度差」に凹んだ経験をお持ちの方にはちょっとこたえるかもしれないし、メンヘラに付きまとわれた人にも何か感じるものがあるかもしれない。

この話に登場したキャラが、次におすすめする漫画にちらっと登場していたのを見たときは密かにテンション上がりました。

あの2人あれから一緒に遊ぶようになったのかーーーー!!!っていう。

ネトゲで強くてかっこいいプレイヤーが、リアルでも人格者かっていうとそうじゃないし。いろんな性癖もちだったりもするよね。という、ネトゲ題材の大手コンテンツではあんまり触れられない、リアルとネトゲの間にある人間臭いギャップなんかも描かれるので、篠房さんの漫画はときにエグいのである。

おすすめその3 『ナツノクモ』(IKKIコミックス 全8巻)

この作品はかなりネトゲとリアルのギャップやプレイヤーの抱える問題、闇な部分にフォーカスして語られるので、結構つらい描写が多々あります。読みたいけどある一部はほんとちょっと無理っす私。っていうかんじ。ちっちゃい子prpr方面にも興味がないのでつらい。けど好き。

開放型ボード『タランテラ』の中に設置された、オンラインカウンセリングをするために作られた『動物園』というコミュニティが物語の舞台になります。『タランテラ』の管理人ゴローがリアルで殺人事件を起こし逮捕されたことをきっかけに、さまざまな野次馬がボードを荒らしにやってくるようになり、『動物園』はタランテラが建てられているサーバーが閉鎖される8月31日が訪れるまで、用心棒を雇うことにします。

用心棒として雇われたトルクは最強と名高い名プレイヤーですが、リアルではアル中無職で妻子と別居中。自身もオンラインカウンセリングを受ける患者の一人だったりします。

それぞれに精神的な問題や弱さ、トラウマを抱えながらも、トルクとともに荒らしと戦うことを決意した『動物園』の住人達と、本気でこのボードを潰そうと考えている荒らし側の読みあいやらバトルやらなんやかんやを描く漫画となっています。

が、最後のほうで突如打ち切りになっています(・・・。)

展開が結構難解で、なにがどうなってる?ってなるので数回読まないとわからなかったりします。あとカウンセリングを受けている皆さんなので、全体的にキャラが濃ゆい。闇が深い。

この漫画もやっぱり私が経験した「かつて世話になったギルドが自分のギルドを問題視して潰しに来る」という部分が個人的に「ネトゲあるある」なんですよ。ええ。個人的にな。

ここまで大規模じゃないし未然に防げたんですけどね私の場合。いや防げたっていうかなんというか・・・うっ頭がッ・・・!!なんとなくその時自分が置かれた境遇と、作中のクロエさんの立ち位置というか不安感には共感する部分もあったりする。

それはともかく、この作品ではなんといっても驚異のテクニシャンである鉄仮面姐さんが人一倍輝いているので、もうそこだけ見てほしいです。

正直物語としては矢継ぎ早に終了するので、なにがどうなってんだ?っていう感じで終わります。打ち切りなんでね。まぁそこに至るまでのカオスな雰囲気、荒らしがどんどん集まってくる、正義をちらつかせながら自分らを潰そうと大挙して押し寄せる大手ギルドの皆さんという、なんとも実際のゲームでトラブった時にありそうな展開を味わっていただけるといいかなと。

どんどん規模が大きくなって収集がつかなくなっていく感じ。あとどこら辺まで問題が波及していってるのかが見えなくなる不安感を味わってもらいたい。

まとめ ある意味生々しいネトゲ漫画だと思う

SAOや.hackといった「ゲームの世界からもどれなくてどうのこうの」とか、「運営が黒幕で云々」とかそういう壮大できれいにまとめられた作品じゃないのがいいんですよ。篠房さんのは。

そこら辺の名前も知られていない弱いキャラ、性格の悪いクズみたいなキャラ、名前がスレに晒されてそうな問題児。自分が実際にネトゲをしたときに出会いそうな身近な存在や出来事、どっかのスレで書かれてそうなトラブル、そこから発生する収拾のつかない祭り感。ネトゲを日頃からプレイしている人たちに寄り添って喜怒哀楽が描かれている感じが好きです。

だけどそこがすごく生々しくて、読んでて時々つらいんですけどね。あと話の流れが分かりにくいのもあるけどもね。

ま~~~、やっぱり一般受けしない・・・のかね~。本当にネトゲをやってる人なら面白く読めるんじゃないかと思うんだけど、まだまだ浸透してないのかな。ネトゲ。

全然うまく紹介できてないんですけど、こんな感じの生々しいネトゲ漫画です。読み返したいけど断捨離して全部売っちゃったんですよ。これ書いてたら全部買い戻したくなってきた。

『空談師』なんかアマゾンの中古本1円からだってよ!!私先に買うからね?!

なんか1つでも気になった方はぜひ一度読んでみてください。

あと篠房さん最近連載してた?『葬送のリミット』っていうのも打ち切りなんだってな。。。

 

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